四十路だけど ばかやろう

40歳のおっさんブログ。挑戦の記録。MEC食、FXトレード、アフィリエイト、読書、エッセイ、時に妄想!

楽しさ最強(最恐)のサーフィン

 死ぬかもって経験したことは?

 

 サーフィンを始めたのが、2012年の夏。今から5年前のことだ。

 初めて間もない頃、一人でサーフィンに行った時のことである。

 まだ、ボードの上に立つこともままならない初心者の私。

 無謀にも台風の日に海に向かった。

 

 友人から、あまり人のいないポイントはないかな、と聞いて来た場所だった。

 初心者の私は、上級者の邪魔になっては、と周りのサーファーに気を使いたくなかった。

 その日は、あまり人がいないどころか、海に入っている人が全くいない。

 

 というのも、海は台風の影響で、波の形が、ぐちゃぐちゃ。

 

 せっかく来たことだし、誰もいないし、入っちゃえ!

 そう思って海に入ってしまった。

 

 波打ち際で、踏み入れた両足に潮の流れを強く感じたのだが、

「まあ、そんなに沖に出て乗るわけでもないし、パドリングの練習でもしようかな」

 程度に考えて、漕ぎ出したのである。

 

 スピードがグングンとついて、板が加速していく。

 加速しているのは、パドリングが上手くなったからではなく、離岸流に捕まったと気づいた頃には、時すでに遅し・・・

 

 岸がどんどん遠くなっていった。

 

 「まずい、流されてる」

 

 落ち着こう、落ち着こうと考えながら必死に岸に向かってパドリングするも、岸に近づく気配はない。

 

 右手に大きなテトラポットが視界に入る。

 

 テトラポットの中に落ちて亡くなった、釣り人のニュースを思い出した。

 まさか、自分もそのニュースの主人公になってしまうのか、と脳裏をよぎる。

 

 サーフィンができなくなるの、嫌だな。と呑気なことも考えたりして、ぐちゃぐちゃの海に浮かびながら、思考もぐちゃぐちゃになっていく。

 

 このまま流されて救助されるのか。

 いや、この台風で救助艇やヘリコプターが飛べるのか。

 そもそも、この場所に来ているということすら、誰も知らない。

 誰かが助けに来てくれる保証は全くなかった。

 

 おお、妻よ先立つ夫を許しておくれ・・・ 

 

 そんなことを考えていると、ふと、

「離岸流は横に泳げば脱出できるよ」

 サーフィンを教えてもらっている友人の言葉を思い出した。

 

 冷静に潮の流れを見た。

 しかし、波がぐちゃぐちゃで流れが読み取れない。

 ただ、正面に向かってパドリングしても一向に進まないことから、離岸流は大きな範囲で、正面に発生しているのが予想できた。

 

 さらに観察を続けた。

 岸から向かって左から右に潮が流れているように見える。

 ということは、左に向かっても進まない可能性がある。

 右に流れがあるからその流れにのりたいところだったが、問題があった。

 

 テトラポット。

 

 テトラポットへ向かう流れに乗れば、簡単に陸には到達できそうだった。

 本当にテトラポットの中へと吸い込まれるのだろうか。

 

 このまま流されるのか、テトラポットにしがみつくべきか。

 

 体力がなくなっていくのを感じる。パドルしている両腕がだるくて重い。

 もうこれ以上、迷っている時間がないのは明白だった。

 

 テトラポットにしがみつけば、なんとかなるかもしれない。

 頭の中でしがみつくリハーサルをした。頭の中では上手くいく。

 

 意を決して、テトラポットの方向へ板の先端を向けた。

 

 案の定、流れがあってテトラポットの岸へと近づいているのが、実感できた。

 助かるかもしれないと思った。

 

 テトラポットに近づくと、テトラポットに波が勢いよく当たっていた。

 あの波とテトラポットの間に挟まっては、ダメだ。

 

 そう直感が働いた。

 

 テトラポットとの距離が、もう5メートルぐらいになったところで、波が当たるタイミングを測った。

 何度かのセットがあった後で、波が静かになるのがわかった。

 

 今だ!

 

 必死にテトラポットにしがみついた。

 

 助かった。

 

 なんとか無事に辿り着いた。

 

 今度は、欲が出た、板をなんとか無傷で回収したい。

 

 リューシュコードを手繰り寄せ、板を回収しようとした。

 

 ザッパーン!

 

 大きな波に襲われた。足元をすくわれたが、なんとか片手でリューシュコードを、もう片方の手でテトラポッドにしがみついていたが、足元の踏ん張りがきかない。

 

 ズルっと右足がテトラポットから滑り落ちる。

 リューシュコードをつかんでいた方の肘で体を支えた。

 

 なんとか波が去っていき、体制を整える。板は無事か・・・

 

 無事ではなかった。先端がポッキリ折れている。

 

 テトラポットの上は足場が悪くまだ油断できなかった。

 足場を確認しながら一歩一歩テトラポットをよじ登っていく。

 テトラポットは複雑に3段に積み上げられていて、登り難い。

 

 なんとか登り終えて堤防についた。

 

 肘と膝と手のひらから、出血していた。

 痛みもなく気づかなかったが、安心したと同時に痛みが出て来た。

 遠くの方で、心配そうにサーファーが見ていた。

 両手で丸のサインを送った。そのサーファーは腕を上げて答えてくれた。

 

 こんな思いをしても、サーフィンを続けているのである。

 それは、一度テイクオフを経験したからに他ならない。

 

 板の上で立つことはできなかったが、腹ばいになって波を降り立つことができた。

 1メートルぐらいの綺麗な波の上から、必死にパドリングして、波と一つになった。そう感じた瞬間に綺麗な波のキラキラした斜面を、スーッと降りることができた。

 

 最高な瞬間だった。 

 

 その感覚が忘れられない。

 波のパワーに押される感覚。

 他のスポーツや乗り物では例えられない、独特な感覚。

 

 それから、テイクオフもドルフィンスルーも横に走ることもできるようになって、サーフィンを楽しんでいる。

 テイクオフを経験せずに、死ぬ思いを先にしていたら、サーフィンをやめていたかもしれない。

 

 もしこれからサーフィンを始めようと思っている人には、ぜひテイクオフを体験するまでやめない方がいい。

 

 サーフィンは基本ができるまで、辛いことの連続。

 波に揉まれまくって1日が終わることもある。

 

 でも、素晴らしいテイクオフが待っていると思って、頑張って欲しい。

 

 今でも先端にリペア痕のあるボードに乗っているオヤジボーンより。

f:id:o8g:20170720075555p:plain

 

 

 

 

 読んでいただき、ありがとうございました。

 

 以下に、初心者の頃に参考になった書籍を紹介しています。

 参考にしてみてください。

 

 テイクオフの練習に最適

ドジ井坂のサーフィン・スクール―最新メソッドによるベーシックテクニック解説書 基本編

ドジ井坂のサーフィン・スクール―最新メソッドによるベーシックテクニック解説書 基本編

 

  

 ドルフィンスルーの写真が豊富