四十路だけど ばかやろう

40歳のおっさんブログ。挑戦の記録。MEC食、FXトレード、アフィリエイト、読書、エッセイ、時に妄想!

待ち合わせ 〜器の大きい男になりたい〜

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 約束の時間に間に合わないかもしれない。

 

 目覚ましを2回セットして、2回目で起きた。

 1回目は朝の7:00で、2回目は7:15。2回目は保険であり、1回目で起きる自信があったが、保険が適用された。

 慌てて着替え始める。

 

 ガン! と鈍い音がして小指に激痛が走った。

 ここにタンスを置いたのは、誰だ!? オレだー! ちくしょー!

 

 痛い小指を気にしながら着替え終わり、携帯と財布を乱暴にポケットに突っ込み、意味もなく左右を見渡して玄関に向かった。

 靴を履いた時、小指がまだ痛む。くそー、俺としたことが・・・

 

 そんなこんなで、寝坊したとしても待ち合わせ場所には、5分前に着いてしまう。

 痛めた小指もなんのその。信条を守るための勲章だ。

 

 私は、待つのが嫌いな人間である。

 待ち合わせ場所には5分前に到着したいタイプで、相手を待たせることは許されない。

 待つのが嫌いなのだから、相手に待ってもらうのは良い、という思考回路はフェアではない気がする。

 

 そんな性格が好きかと言われれば、あまり好きではないかもしれない。

 待つことも待たせることにもおおらかな人物の方が、人間的な魅力があるように思えてしまう。

 

 

 高校時代に仲が良かった友人4人で飲みにでも行こうという話になった。

 

 同じ地区に住む友人と、一緒に待ち合わせ場所に行くことにした。

 その友人の家に迎えに行くと、マイペースな友人は、濡れた髪で私を出迎えた。

 「ちょっと座って待ってて」

 シャワーから出たての状態で、タオルで髪を拭きながら、私をソファに促す。

 

 「最近調子はどう?」

 近況を聞いてくる友人の話は上の空。私は、時計を気にする。

 

 (時間がギリギリだ!) 

 

 このままでは、完全に待ち合わせ時間に遅れてしまう。

 

 「この前、たけしにあったけど、めっちゃ太ってやがった。あれは20キロの増量じゃ効かないかもな。はっはっは」

 

 「へー」

 

 完全な空返事である。

 (そんなことよりも準備に全力を払え!)

  とは言えずに、1人ソワソワするだけである。

 

 そんなこんなで、乗ろうとしていた18:20発の電車には乗れず、18:30発の電車に乗ることになった。

 到着時間を考えると、待ち合わせ場所には、5分遅れてしまう計算だ。

 

 「到着時間に間に合わないぞ」

 「少しだろ、大丈夫だって」

 

 友人は、到着時間に間に合わないことなど意に介せず、話を振ってくる。

 私はそんな心境ではない。間に合わないことがわかっているのだ、気が気ではない。

  

 「待ち合わせに間に合わないことを気にしているのか」

 「メールしておいた方がいいかな」

 

 友人は呆れた顔をして、そんなの気にするな。少しぐらい大丈夫だと私を慰めるように言った。

 そもそも遅れたのは、友人のせいだ。なぜ私が慰められているのか。

 待ち合わせに遅れて、待っている友人たちが気を悪くしているかもしれない。 

 そんな私の気持ちもつゆ知らず、友人は電車の中で、人間観察をしたりして楽しんでいる。

 

 羨ましい!

 そう思ってしまった。

 

 遅れていることは変えがたい事実で、どうにもできない。それならば、今の時間を楽しむべきなのだろう。

 友人の行動の方が、変えられないことを気に病むよりよっぽどいい。

 

 待ち合わせ場所に着くと、すでに友人2人が待っていた。

 ほら見たことか、きっと遅れたことに腹を立てているに違いない。

 心の中でほくそ笑む。遅れたのは友人のせいですから。

 

 「お待たせー」

 「おー、久しぶり」 

 

 え、それで、おしまい?

 少しくらい「遅いよ」とか怒っているのを期待していた私の立場は?

 私の方が友人より正しい、待ち時間に遅れるのは間違いなのだ。

 そう考えていたのに、今回は友人の考えの方が、正しかったと認めざるを得ない。

  

 友人は、その日は本当に楽しそうに飲んでいた。

 友人の方が正しかったということを態度で示したりもなかったし、言葉で示したりもしなかった。

 どっちが正しかったなんてこだわりを持ち合わせていないらしい。

 

 器の大きさを感じずにはいられなかった。

 

 

 

読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

 

器を大きくするための本

“器の大きな人

“器の大きな人"だけが持っている3つの余裕 (角川フォレスタ)

 

 

読書入門―人間の器を大きくする名著 (新潮文庫)

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